少年漫画の主人公が現代日本で活躍できない理由
自分は、少年漫画が好きだった。読む時間さえあれば、今だって読むことがある。少年期に勉強するときは、自分が戦いに挑む主人公の気分だった。悟空のように、ナルトのように、コナンのように。
自分が憧れていた彼らのスピリットの特徴を挙げてみる。
・本能に正直で、素直。直情的。
・賢くても、小賢しくない。理性や知性を感情が制御している。
・問題から絶対に逃げない。冷めた目線(メタ的な認知)に逃避をしない。
・(一般的日本人に比べはるかに)周囲の人間に心を開いている。隠し事をしない。
・ご都合主義を許さない。少しでも違和感があれば、徹底的に追及する。
・自身の達成と成長を行動の主軸に置く。
・自分の思いの為なら周囲の人間の感情を無視する。個人主義。
・利益より理念で動く。
・打算的でない仲間がいる。(抑圧的でないという意味で)自然な公共心が強い。
勿論、漫画の展開の都合や、読者への印象とかの事情で、時々で変わったりするが、ストーリーの根幹には主人公達のこういったメンタリティの魅力があると思う。
でも、今考えると当たり前なんだけど、これができるのって「元々圧倒的に強い」人間だけなんだよね。ポテンシャルって結局決まってるし、強くない人間がこれをやろうとすると、浮いた情熱バカになる。
だから少年漫画が好きだった男の子たちも、思春期になってくると読まなくなってくる。自分はそのことに気付くのが遅かったので(認めたくなかったというのも含めて)、一時期は割と浮いていた。
もし悟空がサイヤ人でなかったら?ナルトが火影の息子でなく、九尾を宿してなかったら?新一の実家が借金まみれで、うな重のことしか考えられない頭脳だったら?
彼らのメンタリティをもってしても、数週で打ち切りになるだろう。
現実も同じだ。いくら彼らのような気持ちを持っていても、潜在的能力が低かったら、現実社会では生きていけないのだ。
口だけでかく、綺麗ごとを並べ、周囲にヘラヘラし、協調性がなく、無駄なことばっかやっている。力がなければ不良のパシリだ。虐めの第一ターゲットだ。
だから現実では、折り合いとして、彼らのメンタリティを持つならば、同時にそれが叶わないことを受け入れている諦めへの誇りを持たないといけないのだ。